検査と修正

自動修正のカスタマイズ

標準の自動修正に、独自の修正も追加できます。AUTOFIX_LIST 内に記述します。

自動修正は強力ですが、翻訳を破壊することもあります;  記述するときには注意が必要です。

翻訳内のすべての文字列 foobar に置き換える自動修正の例:

# Copyright © Michal Čihař <michal@weblate.org>
#
# SPDX-License-Identifier: GPL-3.0-or-later

from django.utils.translation import gettext_lazy

from weblate.trans.autofixes.base import AutoFix


class ReplaceFooWithBar(AutoFix):
    """Replace foo with bar."""

    name = gettext_lazy("Foobar")

    def fix_single_target(self, target, source, unit):
        if "foo" in target:
            return target.replace("foo", "bar"), True
        return target, False

独自の自動修正を組み込むには、AUTOFIX_LIST 内で Python クラスへの完全修飾パスを指定します。参照: 品質検査、アドオン、自動修正のカスタマイズ

フラグを使用した動作の設定

フラグを使用して、Weblate の動作を詳細に設定できます。フラグは翻訳者に視覚的なフィードバックを提供し、翻訳の改善を支援します。フラグは以下の情報から集めます。

フラグはコンマで区切られます。パラメータを持つ場合はコロンで区切られます。文字列内にスペースや特殊文字を含める場合は、引用符を使用することができます。例:

placeholders:"special:value":"other value", regex:.*

一重引用符と二重引用符の両方を使用でき、特殊文字はバックスラッシュを使用してエスケープされます。

placeholders:"quoted \"string\"":'single \'quoted\''
placeholders:r"^#*"

これは、翻訳者が Markdownドキュメントの見出しレベルを変更しないかどうかチェックします。文字列 '### Index' が '# Indice' と翻訳された場合に、検査が不合格になります。

placeholders:r"\]\([^h].*?\)"

内部リンクが翻訳されていないことを確認する(例: [test](../checks)[test](../chequeos) とならないようにする)。

現在、使用可能なフラグ一覧:

rst-text

テキストを reStructuredText 文書として扱う。関連項目: 未翻訳の翻訳文

dos-eol

UNIX の代わりに DOS の改行コードを使用する(\n の代わりに \r\n)。

read-only

文字列は翻訳禁止であり Weblate で編集させない。参照: 翻訳禁止の文字列

terminology

用語集 で使用します。文字列を用語集のすべての言語にコピーし、すべての翻訳で一貫して使用できるようにします。また、read-only との組み合わせでも有用であり、製品名などにも使用できます。

priority:N

文字列の優先度。優先度の高い文字列が翻訳のために先に表示されます。デフォルトの優先度は 100 で、文字列の優先度が高いほど、翻訳のために早く提示されます。

max-length:N

文字列の最大長を N 文字に制限する。参照: 翻訳の最大文字数

xml-text

テキストを XML ドキュメントとして扱う、関連項目: XML 構文 および XML マークアップ

font-family:NAME

レンダリングの検査に使用するフォントファミリーを定義する。参照: フォントの管理

font-weight:WEIGHT

レンダリングの検査に使用するフォントの太さを定義する。参照: フォントの管理

font-size:SIZE

レンダリングの検査に使用するフォントサイズを定義する。参照: フォントの管理

font-spacing:SPACING

レンダリングの検査に使用する文字間隔を定義する。参照: フォントの管理

icu-flags:FLAGS

ICU MessageFormat の品質検査の動作をカスタマイズするためのフラグを定義します。

icu-tag-prefix:PREFIX

ICU MessageFormat の品質検査用の XML タグに必要な接頭辞を設定します。

placeholders:NAME:NAME2:...

翻訳にはプレースホルダー文字列が必要です。参照: プレースホルダー

replacements:FROM:TO:FROM2:TO2...

テキストがパラメータとなる検査(例 翻訳の文字の最大サイズ または 翻訳の最大文字数)をするときに行う置換。一般的な使用方法は、プレースホルダーに長いテキストが入ってもスペースに収まるか確認することです。例: replacements:%s:"John Doe"

variants:SOURCE

この文字列を、原文と一致する文字列の別表記としてマークします。参照: 文字列の別表記

regex:REGEX

翻訳文が一致するべき正規表現。参照: 正規表現

forbidden

用語集で、使ってはいけない訳語を示します。参照: 使用を禁止する訳語

strict-same

「未翻訳の翻訳」検査で、組み込みのブラックリストの単語を除外しないようにする。参考: 未翻訳の翻訳文

strict-format

複数形が単一の値の場合でも、フォーマットの検査を強制します。参照: 書式指定文字列

check-glossary

用語集に従っていない の品質検査を有効にする。

angularjs-format

AngularJS 補間文字列 の品質検査を有効にする。

c-format

C 言語書式 の品質検査を有効にする。

c-sharp-format

C# 形式 の品質検査を有効にする。

es-format

ECMAScript テンプレート リテラル の品質検査を有効にする。

i18next-interpolation

i18next 補間 の品質検査を有効にする。

icu-message-format

ICU MessageFormat の品質検査を有効にする。

java-printf-format

Java 形式 の品質検査を有効にする。

java-format

Java MessageFormat の品質検査を有効にする。

javascript-format

JavaScript 形式 の品質検査を有効にする。

lua-format

Lua 形式 の品質検査を有効にする。

object-pascal-format

Object Pascal 形式 の品質検査を有効にする。

percent-placeholders

パーセントのプレースホルダー の品質検査を有効にする。

perl-brace-format

Perl ブレース形式 の品質検査を有効にする。

perl-format

Perl 形式 の品質検査を有効にする。

php-format

PHP 形式 の品質検査を有効にする。

python-brace-format

Python ブレース形式 の品質検査を有効にする。

python-format

Python 形式 の品質検査を有効にする。

qt-format

Qt 形式 の品質検査を有効にする。

qt-plural-format

Qt 複数形式 の品質検査を有効にする。

ruby-format

Ruby 形式 の品質検査を有効にする。

scheme-format

Scheme 形式 の品質検査を有効にする。

vue-format

Vue I18n 書式 の品質検査を有効にする。

md-text

テキストを Markdown ドキュメントとして扱い、翻訳テキスト エリアで Markdown 構文ハイライトを提供します。Markdown のリンクMarkdown の参照 および Markdown 構文 の品質検査を有効にする。

case-insensitive

検査において、大文字と小文字を区別しないように設定します。現在は、プレースホルダー 品質検査のみに影響します。

safe-html

安全でない HTML の品質検査を有効にする。

url

文字列は URL のみでなければならない。URL の品質検査を有効にする。

ignore-all-checks

すべての品質検査を除外する。

ignore-bbcode

BBCode マークアップ の品質検査を除外する。

ignore-duplicate

重複単語の連続 の品質検査を除外する。

ignore-check-glossary

用語集に従っていない の品質検査を除外する。

ignore-double-space

連続スペース の品質検査を除外する。

ignore-angularjs-format

AngularJS 補間文字列 の品質検査を除外する。

ignore-c-format

C 言語書式 の品質検査を除外する。

ignore-c-sharp-format

C# 形式 の品質検査を除外する。

ignore-es-format

ECMAScript テンプレート リテラル の品質検査を除外する。

ignore-i18next-interpolation

i18next 補間 の品質検査を除外する。

ignore-icu-message-format

ICU MessageFormat の品質検査を除外する。

ignore-java-printf-format

Java 形式 の品質検査を除外する。

ignore-java-format

Java MessageFormat の品質検査を除外する。

ignore-javascript-format

JavaScript 形式 の品質検査を除外する。

ignore-lua-format

Lua 形式 の品質検査を除外する。

ignore-object-pascal-format

Object Pascal 形式 の品質検査を除外する。

ignore-percent-placeholders

パーセントのプレースホルダー の品質検査を除外する。

ignore-perl-brace-format

Perl ブレース形式 の品質検査を除外する。

ignore-perl-format

Perl 形式 の品質検査を除外する。

ignore-php-format

PHP 形式 の品質検査を除外する。

ignore-python-brace-format

Python ブレース形式 の品質検査を除外する。

ignore-python-format

Python 形式 の品質検査を除外する。

ignore-qt-format

Qt 形式 の品質検査を除外する。

ignore-qt-plural-format

Qt 複数形式 の品質検査を除外する。

ignore-ruby-format

Ruby 形式 の品質検査を除外する。

ignore-scheme-format

Scheme 形式 の品質検査を除外する。

ignore-vue-format

Vue I18n 書式 の品質検査を除外する。

ignore-translated

過去に翻訳済み の品質検査を除外する。

ignore-inconsistent

一貫性の欠如 の品質検査を除外する。

ignore-kashida

Kashida 文字の使用 の品質検査を除外する。

ignore-md-link

Markdown のリンク の品質検査を除外する。

ignore-md-reflink

Markdown の参照 の品質検査を除外する。

ignore-md-syntax

Markdown 構文 の品質検査を除外する。

ignore-max-length

翻訳の最大文字数 の品質検査を除外する。

ignore-max-size

翻訳の文字の最大サイズ の品質検査を除外する。

ignore-escaped-newline

\n の不一致 の品質検査を除外する。

ignore-end-colon

コロンの不一致 の品質検査を除外する。

ignore-end-ellipsis

省略記号の不一致 の品質検査を除外する。

ignore-end-exclamation

感嘆符の不一致 の品質検査を除外する。

ignore-end-stop

終止符の不一致 の品質検査を除外する。

ignore-end-question

疑問符の不一致 の品質検査を除外する。

ignore-end-semicolon

セミコロンの不一致 の品質検査を除外する。

ignore-newline-count

改行数の不一致 の品質検査を除外する。

ignore-plurals

複数形の不足 の品質検査を除外する。

ignore-placeholders

プレースホルダー の品質検査を除外する。

ignore-punctuation-spacing

句読点のスペース の品質検査を除外する。

ignore-regex

正規表現 の品質検査を除外する。

ignore-reused

他で使用された翻訳 の品質検査を除外する。

ignore-same-plurals

同一の複数形 の品質検査を除外する。

ignore-begin-newline

文頭の改行 の品質検査を除外する。

ignore-begin-space

先頭の空白 の品質検査を除外する。

ignore-end-newline

文末の改行 の品質検査を除外する。

ignore-end-space

文末の空白 の品質検査を除外する。

ignore-same

未翻訳の翻訳文 の品質検査を除外する。

ignore-safe-html

安全でない HTML の品質検査を除外する。

ignore-url

URL の品質検査を除外する。

ignore-xml-tags

XML マークアップ の品質検査を除外する。

ignore-xml-invalid

XML 構文 の品質検査を除外する。

ignore-zero-width-space

ゼロ幅スペース の品質検査を除外する。

ignore-ellipsis

省略記号 の品質検査を除外する。

ignore-icu-message-format-syntax

ICU MessageFormat 構文 の品質検査を除外する。

ignore-long-untranslated

長期間未翻訳 の品質検査を除外する。

ignore-multiple-failures

複数言語での検査不合格 の品質検査を除外する。

ignore-unnamed-format

複数の無名変数 の品質検査を除外する。

ignore-prohibited-initial-character

Skip the 禁止されている頭文字 quality check.

ignore-optional-plural

複数形の書式になっていない の品質検査を除外する。

注釈

基本的に、規則は名前に ignore-* という識別子がすべての検査に対して付いているため、独自の検査項目にも使用できます。

このフラグは、コンポーネント構成 、原文ごとの設定、および翻訳ファイル自体(例: GNU gettext)の両方で認識されます。

検査の強制

コンポーネント構成検査の強制 を設定することで、無効にできない検査項目を設定できます。設定した検査項目は、ユーザーインターフェイスで除外にできず、検査で不合格となった文字列は 要編集 (参照: 翻訳文の状態)と設定されます。

注釈

検査の強制を有効にしても、自動的に有効とはなりません。検査を有効にするには、文字列またはコンポーネントのフラグに対応するフラグを追加してください。

フォントの管理

ヒント

Weblate にアップロードしたフォントは、 翻訳の文字の最大サイズ 検査のためだけに使用します。Weblate のユーザーインターフェイスには影響しません。

表示したテキストのサイズの計算に使用する 翻訳の文字の最大サイズ 検査は、フォントを Weblate に読み込み、翻訳フラグ(参照: フラグを使用した動作の設定)を使用して選択することが必要です。

翻訳プロジェクトの 管理 メニュー下の フォント にあるフォント管理ツールは、フォントのアップロードと管理のためのインターフェイスを提供します。TrueTypeとOpenTypeフォントがアップロードできるので、フォントグループを設定して検査で使用してください。

フォントグループを使用すると、言語ごとに異なるフォントを定義できます。通常、ラテン言語以外で必要です:

../_images/font-group-edit.webp

フォントグループは名前で識別されます。検査の定義で簡単に使用できるように、名前には空白文字や特殊文字を含めることはできません。

../_images/font-group-list.webp

フォントファミリーとスタイルは、アップロード後に自動的に認識:

../_images/font-edit.webp

Weblate に登録できる複数のフォントの設定:

../_images/font-list.webp

文字列の長さを確認するためにフォントを使用するには、適切なフラグ(参照 フラグを使用した動作の設定)を渡します。設定が必要な項目:

max-size:500 / max-size:300:5

最大幅をピクセル単位で設定し、オプションで最大行数を設定します(単語の折り返しが適用されます)。

font-family:ubuntu

使用するフォントグループの識別子の設定。

font-size:22

フォントサイズをピクセル単位で設定。

独自の検査項目の作成

幅広い品質検査を搭載していますが(参照: 品質検査)、検査したい項目をすべて網羅しているとは限りません。実行する検査の内容は、CHECK_LIST で設定できます。また、独自の検査も追加できます。

  1. weblate.checks.Check をサブクラス化する

  2. 複数の属性を設定する。

  3. check (コードで複数形を扱う場合)または check_single メソッド(これはあなたに代わって実行)を実装する。

複数の例:

独自の検査項目を組み込むには、CHECK_LIST に Python クラスへの完全修飾パスを指定します。参照: 品質検査、アドオン、自動修正のカスタマイズ

翻訳テキストに「foo」が含まれていないかの確認

これは非常に単純な検査であり、翻訳に文字列「foo」を含まないかの検査をするだけです。

# Copyright © Michal Čihař <michal@weblate.org>
#
# SPDX-License-Identifier: GPL-3.0-or-later

"""Simple quality check example."""

from django.utils.translation import gettext_lazy

from weblate.checks.base import TargetCheck


class FooCheck(TargetCheck):
    # Used as identifier for check, should be unique
    # Has to be shorter than 50 characters
    check_id = "foo"

    # Short name used to display failing check
    name = gettext_lazy("Foo check")

    # Description for failing check
    description = gettext_lazy("Your translation is foo")

    # Real check code
    def check_single(self, source, target, unit):
        return "foo" in target

チェコ語の翻訳文の複数形が異なっているかの確認

言語情報を使用して、チェコ語の 2 つの複数形が同じでないことを検査します。

# Copyright © Michal Čihař <michal@weblate.org>
#
# SPDX-License-Identifier: GPL-3.0-or-later

"""Quality check example for Czech plurals."""

from django.utils.translation import gettext_lazy

from weblate.checks.base import TargetCheck


class PluralCzechCheck(TargetCheck):
    # Used as identifier for check, should be unique
    # Has to be shorter than 50 characters
    check_id = "foo"

    # Short name used to display failing check
    name = gettext_lazy("Foo check")

    # Description for failing check
    description = gettext_lazy("Your translation is foo")

    # Real check code
    def check_target_unit(self, sources, targets, unit):
        if unit.translation.language.is_base(("cs",)):
            return targets[1] == targets[2]
        return False

    def check_single(self, source, target, unit) -> bool:
        """We don't check target strings here."""
        return False